事業コンセプトを考えたら「反対語テスト」をサボってはいけない
よくある問題
ほとんどの企業は、製品やサービスを表現するのに同じ言葉を使う。
「質が高い」「使いやすい」「早い」「親身な」
とか頻出表現を使う。
何か新サービスを考えるとき、それがどういうポジショニングなのかよく考えて表現しないといけない。だからユニークさを保証できるような、点検ができるといい。
反対語テスト
そこで、「反対語テスト」をやってみる。この問題に自問自答してみるだけだ。
あなたは自分の製品・サービスを、競争相手と反対のやり方で表現しているだろうか?
もしそうなら、あなたが言っていることは独自の内容である。
競争相手が「使いにくく、無防備で、スピードが遅く、限定的」と言っているならば「使いやすく、セキュアで、スピーディかつ拡張性が高い」と言って差し支えない。
スクール事業を行う会社なら、誰だって「科学が嫌いになる」「先生はその辺から適当に集めたアルバイト」「授業中、発言はいっさい禁止」「授業はその場その場で適当に進行」とは言わない。
ベンチャー育成を行うところなら、誰だって「ベンチャーの発達を阻害」「資金調達に無駄な時間を使わせます」「熱意をそぐようなアドバイス体制」「関わると決断力が鈍る」とは言わない。
就職支援なら「この就活シーズンでは、就職できない」「あなたのダメなところをほったらかしにします」「長所が伸びるなんて幻想です」「あなたの考えた通りの理想の職場なんてありません」とか言わない。
就活生が「私は暗くて、引っ込み思案で、リーダーシップもないし、リーダーについていくことすら嫌です」というはずがない。だから「前向きで、リーダーシップがあります」というだけでは無意味なのだ。
たいがいの形容詞こだわりは無駄
反対語テストをやってみると、形容詞にこだわるだけでは、言っていることに差異が出ないと気づく。
だから根拠もセットにしよう。「使いやすい」とは例えば「15分でセットアップでき、ユーザートレーニングは不要といって良いレベル」とかそういうことを指す。
この辺の根拠にすらユニークさがなければ、たぶんそのポジショニングはやめたほうがいいのだ。