リバネス研究日誌(らぼのーと)

エッジが立ってると評判です

磯崎さん( @isologue )の「起業のファイナンス」


上場する意味、ストックオプションの仕組みがわかりやすく書かれている本です。ベンチャーの一員として知っておいて損はない内容だと思いました。
ファイナンスとか、資本政策は少しずつでも詳しくなっておきたい。と思っている方の入門によいと思います。

上場を目指すベンチャーについて


上場については下の文が印象に残りました。
こういう時計を感覚として知っておく必要があるのか。と素直に感心。
このため現在「上場を目指します」と言って投資してもらえるハードルとしては、5年後とか7年後に10億円とか40億円とかの規模の純利益が出て、上場時の時価総額が300億円とか500億円程度になる(可能性がある)事業ということになるのではないかと思います。

ほかにも、
  • 資金調達が必要ないビジネスも多い
  • 毎年の純利益が頭打ちになるビジネスなら非上場のほうがハッピーかもしれない
  • 7年で時価総額500億のような目標を掲げると、普通のことをやっていても実現不可能だしプレッシャーもかかる。
  • 上場を目指すなら、会社の規模感や時間感覚をイメージできることが重要
というの指摘も考えさせられました。

ページ数を割いていた内容と、書評で人気のある内容の違い

いろいろ書評ブログなどやアマゾンのレビューも見ましたが、本を読んだ感想となんかずれるなーと思う部分がありました。それは、本で一番説明されていたことと、書評の内容にビミョーなギャップがあったことです。
この本で一番ページを割いていたのはストックオプションや投資契約、種類株式についてです。グラフや図入りでていねいに解説してあって、これはとても勉強になったのですが
書評などで一番人気があったのは
「アニマルスピリッツ」「イケてる若者」「イケてるベンチャー」「日本は起業家に冷たくない」
ということでした。
本を丁寧に読むと、全然精神論や成功本の類ではないのですが、メッセージとしては「アニマルスピリッツ」が一番だと取るヒトが多かったのでしょうか。不思議です。