リバネス研究日誌(らぼのーと)

エッジが立ってると評判です

「教育のコストは誰が負担するのか?」を読んで

なんだそりゃーーー!と思った。
奨学金を受け取る条件に「社会貢献活動の参加」が
追加されるそうなのだ(参考1読売新聞2Togetter)

その余波で色々なところで記事が上がっていてどれも興味深い。
いくつかを読んだなかで内田樹先生のブログの下の言葉が印象に残った。






教育の受益者は本人ではない。
直接的に教育から利益を引き出すのは、学校制度を有している社会集団全体である。
共同体の存続のためには、成員たちを知性的・情緒的にある成熟レベルに導く制度が存在しなければならない。
それは共同体が生き延びるために必須のものである。

内田先生は、教育の受益者は本人ではなく社会全体
そして教育にお金を使うことは、共同体の将来への投資だ。という

投資という観点で言えば、シンガポールが面白いと思った。

先日、シンガポールでガイドさんが言っていた。
シンガポールでは大学の数が足りないから高校生の大半は海外の大学受験を考える、と。
そもそもシンガポールという国は、国土が狭い。資源も多くない。
それに加え、資本主義になってからの歴史が(日本に比べると)短い。
だから悠長に「大学を作って、社会に知を還元するぞ」という体制ではなく
「法人税をマケるから企業を誘致して豊かになるぞ」という戦略だという。

この辺は「ハーバードの世界を動かす授業」にも書いてあった。

日本の大学の充実っぷりというのは
世界的に見たらとても珍しいことなんじゃないか、と思った。
この資産、どうやって活用したらよいのか。
そして受益者は誰か。共同体の将来のことならもっと大事に考えんとね。




内田樹の研究室「教育のコストは誰が負担するのか?」