リバネス研究日誌(らぼのーと)

エッジが立ってると評判です

無から有を生み出す人のメンタリティ

世の中には物事を「構想する」だけじゃなくて、「実現する」人がいる。
だいたい「実現する」人はパワフルである。
前の記事に書いたような、「出る杭」になるための行動をためらいなく取っていく。
それだけでなく、仲間に報い、敵に対抗するためのリソースや優位に立つための情報を持っている。
リソースとは、お金、仕事、情報、有力者の後ろ盾、友人などなど、仕事をするうえで助けになる全てのものを指す。
ではそういったリソースはどうやって生み出すのか。

「権力」を握る人の法則
「権力」を握る人の法則


第5章 無から有を生み出す

ほとんどすべての組織では、予算と人事に口を出せる人間が権力を持つことになる。金を筆頭に様々なリソースを握っていれば自己増殖的に権力は強化される。権力は権力を生み、カネはカネを生む。問題は、この好循環にどうやって乗るかということだ。
上を目指す人はできるだけ多くのリソースを直接コントロールできるポストを選ぶべきだ。また、権力の多くは地位に依存し、地位にともなって動かせるリソースに依存する。「だが自分はまだキャリアをスタートさせたばかりだし」ごもっとも。しかし無からでも有を生み出す人はいる。

リソースは無からでも生み出せる

よく見かける間違いの1つは「平社員の分際でリソースを手にするなんて不可能だ」というものである。だが、いま土台をつくっておくからこそ、上へ行く可能性が高まるのである。リソースとは、お金、仕事、情報、有力者の後ろ盾、友人などなど、仕事をするうえで助けになる全てのものを指す。こうしたリソースを誰かに提供するチャンスは必ず訪れる。誰かを助ければ、その瞬間から持ちつ持たれつの可能性が始まるのである。
のちのちのための関係づくりは、単に相手に礼儀正しく接し、相手の言葉を傾聴するだけで事足りる。ささやかな行為が意外に大きな効果を発揮する。人間は自分のことを話したがり、関心を持ってもらうのが嬉しい生き物。時間と関心を気前よく提供しよう。

ちょっとした手助けが実を結ぶ

仕事を手助けするのも喜ばれる。例えば
  • フランク・スタントン。経営陣が興味をもちそうな情報を見抜きし、そうした情報をできるだけたくさん集めた。
  • マイケルはこまめにオフィスに顔を出し、顔を覚えてもらった。そこで採用事務を手伝うようになった。おかげで彼は経営陣とも接することができたし、採用された人たちは好印象を持った。
  • カレンは、上司のアドバイスに敢えて逆らいイベントを企画しては業界に知り合いを増やし、社内の大勢の人とも親しくなることができた。
  • アイバンは会社がある分野に進出したいことを知っていた。そこでその方面のセミナーを企画し、精力的に開催し、顔が売れていった。やがて、予算が与えられるようになった。
  • ジムは、留学中も上司のケンとのコンタクトを絶やさなかったばかりか、立場を利用して上司の願いを叶えてあげた。
  • シュワブはヨーロッパの経営者400人ほどを招いてヨーロッパ経営者フォーラムを開催した。アメリカの一人勝ちに危機感を募らせる欧州企業の経営者に、一堂に会する機会を提供したのだ。世界中の経営者や政治指導者が集まって意見を交換できる様な場があれば都合がいい。シュワブはそれを見ぬいたのである。
普通の人はアクセスできないリソースをコントロールできる人が権力を持つようになる。最初に動いた人が、多くの場合に独占権を手にする。