組織を成長させつつ、企業文化が薄まることを防ぐ方法
ざっくりまとめ
自律性と公平なダッシュボードがあれば、どんな新人でもすぐに組織の目的に馴染み、大きな目標にむかって共に邁進できる。そういう考え方をシェアしてもらったように思う。
Zyngaはどうやって買収を繰り返しても、高い成長率を実現し、文化の希薄化を防いだのか
人が増えたら、文化を知らない人とか暗黙知を知らない、コンテクストに触れていない人が増えることは必然だ。そういう課題のなか、「自発的(Self starter)」で「新しいことに挑戦する(Innovative)」な組織を保って、人員を増やすには徹底してOKR(Objectives and Key Results)の運用が重要という文章を読んだ。そこでは買収を繰り返したZyngaが企業文化を強制的に変更して買収先を萎縮させることなく、自律成長を促すことでハイパフォーマーとして上場にまで持っていけたことになっていた。(Exponential Organization)
OKRとは、戦略目標と計測方法をセットで自主設定させ、自律性とダッシュボードをつくらせること
OKR自体はアンディ・グローブ(元インテル)によってつくられ、Googleに導入された考え方だそうだ。
How Google Worksによれば
OKRとは個々の社員の目標(Objectives、達成すべき戦略的目標)と主要な結果(Key Results、その目標の達成度を示す客観的指標)である。すべての社員が四半期ごとに、自らのOKRを更新してイントラネットで公開することになっており、他の同僚がどんな仕事をしているか簡単にわかる
これの味噌は肩書と仕事内容の羅列ではないという点だと思う。
取り組んでいる仕事、大切に思っている仕事を自分の言葉でまとめたものだ。その社員が何にモチベーションを感じるかを確かめる一番手っ取り早い方法だ
こんなものがインターン生から社員まで共有できたら面白いと思う。
さらにGoogleではこれを全社会議にかけ、取締役とプロダクト責任者との間で議論するらしい。4半期ごとの会社全体の優先課題がはっきりとなっている状況、というのが面白い。
- 代表と役員のOKRのコンフリクトから優先課題がわかる。
- 他の人の「パッション」や優先順位がどこにあるかわかる。
- 計測方法がフェアなら、新人でもサクッとパクれる(巨人の肩に乗れる)
こういうメリットがあるように思う。リバネスの場合、200のプロジェクトが走っており、どれもPLの自律性とマーケットの要請によりGO/KILLが決まっておりOKRには馴染みやすそうだ。
OKR導入の課題
とはいえ、OKRの達成度や反省の仕方など運用のノウハウまで細かく本には書いていない。本には「評価がイエローカードやレッドカードのものも多い」とあった。
こういう修羅場への対処こそが「細部」。そして細部に神が宿る。どうやっているんだろう。
そしてマネージャー側もバーを適切に高めにしてあげることが重要だろう。
さらにパフォーマンスを計測可能にする努力も欠かせない。フェアな評価には計測できるものでしか議論できない。
ざっくりまとめ(再掲)
自律性と公平なダッシュボードがあれば、どんな新人でもすぐに組織の目的に馴染み、大きな目標にむかって共に邁進できる。そういう考え方をシェアしてもらったように思う。
参考文献
- 作者: Salim Ismail,Michael S. Malone,Yuri Van Geest
- 出版社/メーカー: Diversion Books
- 発売日: 2014/10/14
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント
- 作者: エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル,ラリー・ペイジ,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/10/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (8件) を見る