リバネスが果たす役割と、5つの提案
仕事始まりを向かえ、事業計画について、やんややんや話をしました。青臭く、自分たちは「何が先端か、どうありたいか?」みたいなのを議論しました。細かいテクノロジーの議論を取り外すと、<提案>みたいにまとめられたので、ここで披露します。
長くなりましたが、リバネスに仕事を頼んでみたい、就職してみたい、みたいな人は読んでくれたら嬉しいです。
前提として世の中の課題
- 科学技術はそのままでは使えない。産業も生み出さない。結果としてたくさんの研究費はunder performしている
- 大学にあるまま、企業に死蔵されたままでは、誰かが使える形にならない。
- (ソフト面で)この状況は知財にしたからといって劇的には変わらない
- (人材面で)大学にいる若手研究者も、そのままでは使えない(と思われている)
- 理科離れはともかくとして、優秀な理系人材には恒常的にニーズがある
リバネスの見立て
- 人々が使えるようにする形を提案する起業家が必要
- アイデアを使える形にして、流通させるところまで作り上げる必要がある
- 大学にいる若手研究者は、やり方によっては飛躍できる
- 高校生から優れた研究者を育てれば、そのまま大学以降のレベルを向上させられる
ひいては企業理念である「科学技術の発展と地球貢献を実現する」が可能だと思っている。
リバネスはどんな提案するの?;
- 高校生も始められる、本格的な研究スタイルとテーマを提案する
- 若手研究者のエッジの立て方を提案する
- 企業体質・既存のやり方の打破の仕方を提案する
- 科学技術の楽しみ方を提案する
- 他所が怖くてさわれないような研究テーマを自主研究として取り組む
それぞれの提案についてもうちょっと考えをまとめておこうと思います。
提案1:高校生も始められる、本格的な研究スタイルとテーマ
「研究は難しくない・気軽に始められる」という側面をもっともっと出したい。しかも教科書に載っているような答えのわかっている実験・研究ではないテーマを取り組めるようにする。大学の先生から見ても、企業の研究者が見ても、論文のリファレンスを引いても見劣りのしない研究を、高校生から着手できるようにしたい。
発表の場(サイエンスキャッスル)や、いくつかの先端バイオ実験キットは用意できている。ハートに火をつけるための出前授業の系も整っている。一昨年末から高校生たちの自主研究の場であるサイエンスキャッスルは本当に盛り上がっている。
しかしまだ足りない。テーマをもっと広げたい。高校生が企業にひけをとらない成果を出せるようにしたい。
ここはいろんな企業とパートナーシップを組んで研究テーマを開発したい。実験機器の貸出ができるようにしたい。研究現場の話を伝える意味でのコンテンツづくりをしておきたい。
提案2:若手研究者のエッジの立て方
よくあるパターンの打破をして、いろんな人生が歩めたらいいよね。と大学院生ながらに思います。「論文を出して、研究費をとって、ポスドクを何ラウンドか回して」で、アカポスを取れたらクリア、みたいな研究人生しかないというのは窮屈だと思う。
どうやったら色んな立場の人が研究に関わるようになって、イノベーションを生みやすい土壌が出来上がるか?という意味でお決まりのルート以外のパスでエッジを立てられるようにしたい。
その1つが、研究者応援プロジェクト。リバネス研究費を端緒として、企業との共同研究ができるようにする。そのためのスキルを積んだり、企業を知ることができるようにしている。ただ50万円配ってるわけじゃねーぞ。国の小規模予算分配とは意味が全然違うということをもっと浸透させていきたい所存です。
提案3:企業体質・既存のやり方の打破の仕方を提案する
ここ何年かで、新規事業を立ち上げたり、社内ベンチャーをやったりする大企業は多いようですが、失敗したり、思ったより進まなかったりしているそうです。話を聞く限りでは結構いるもんだと実感します。そこを変える方法や、(そもそも)ビジョンを掲げたりすること、というのを提案しています。
なぜ、こんなことがリバネスの仕事になるのか?
普通に考えたら難しいことっぽいので戦略コンサルのような人がやったりするみたいですが、僕らの素朴な思考や実行まで担保した提案がハマってきています。一方的にノウハウをお教えする、というよりかきちんと最先端の壁にぶつかって共同研究するというスタンスで提案をしています。研究は面倒ですか?それくらいしないと現状なんて変わりませんよ?
提案4:科学技術の楽しみ方を提案する
急に最先端を見せようと思っても無理だ。というのがあります。科学技術に注意が向くのは、Crisis Responseというか、地震とか放射線とか農薬混入という局面だったり、夏休みの宿題でテーマを探していたりするときだったりする。
高校生が本格研究するんだから、理系の人が最先端の実験の場から離れるんだから、だからこそアマチュアを下支えする楽しみ方があっていいはずなんだ。
例えばサイエンスキャッスルは、研究発表の新しい楽しみ方。今日の武井壮じゃないが、学会が日本選手権だとすると、リバネスがつくる何かは箱根駅伝のようなものであってほしい。
武井 壮 - 箱根駅伝が終わった。。 陸上界には箱根駅伝に否定的な発言をする選手やOBや指導者がいる。。... | Facebook
たしかに箱根駅伝は大会としてよく演出されているし、こんてんつとして、投資先として良好
あと、やっぱりメディア。サイエンスメディアsomeoneをグロースさせることと、テレビやラジオや新聞などに違った形を入れていくことというのが宿願です。去年はテレビ特番、マンガがはじまりました。これ、もっとやりたい。
サイエンスメディアsomeone(サムワン) 理系大学の研究者カタログ by リバネス
その5:他所が怖くてさわれないような研究テーマを自主研究として取り組む
禁則事項です!(笑)
危ないテーマ、眉をひそめるテーマ、儲かるとはとても思われないテーマを積極的に取組み、なんとか事業化してやりたいぜ。藻類のバイオ燃料とか、ブタの餌開発とか、油産生微生物のスクリーニングとか。
最後に、どうしてこういう提案ができるのか?というところです。
なぜこういった提案ができ、エッジを持てるのか?
- 自分たちで事業を立ち上げてきている
- 研究者、企業、教育界のいずれともネットワークを持つ
- 「科学をわかりやすく伝える」ノウハウを持つ
こういったところ。もっと書かなきゃと思いますが長くなったのでこのへんで。
2014年もよろしくお願いします。