リバネス研究日誌(らぼのーと)

エッジが立ってると評判です

なぜリバネスにはインターンシップ制度があるのか

理系の大学院生は忙しいと言われる。研究に忙しくて、就職活動するヒマがないという。
ましてや長期のインターンシップなど無理。しかも理系と関連するようなインターンシップを運営しているところなど滅多にない。研究室と家の往復生活ではどうやっても「社会経験」なんかできるわけがない。研究というよりはビジネスの世界に行きたいと思っていた私は、どうしても自信が持てなかった。このままで就職できるのか、と。
私は、そんな不安を解消するためリバネスインターンシップに参加した。研究生活と並行できるよう、週末に会議を行う形で運営されていたからだ。科学実験教室の営業・企画・運営、科学雑誌の執筆・編集などを経験してきた。大学の研究では経験できなかったチームでの仕事ができたし、土壇場のなかでリーダーシップを発揮するという経験ができた。営業同行なども、視野が拡がる経験になった。
 
結局、研究室に在籍しながら2年間続けることができた。その間に就職活動も行い、前職のPR会社に内定、就職することになった。研究のほうは思ったようには成果はでなかったが、修士課程を無事修了できた。
 
私は今、人材開発事業部というところで、大学や企業の人材育成のお手伝いをしている。転職してきて2年目になる。春から社内のインターンシップの研修が開講される。私も講師も務める予定だ。この社内講師のリーダーは環野さんだ。彼女は学生時代からインターンシップをやってきた仲間で、今は同じ事業部で仕事をするようになった。ずっとインターンシップのマネジメントをしてきており、並々ならぬ情熱をかけてインターンシップに取り組んできている。学生への指導はちょっと怖いくらいだ(笑)。だがブレない姿勢には、尊敬の念を持っている。
 
講座を開講するにあたって、初回オリエンテーション講義をどうするか環野さんと打合せをした。半年区切りで学生にどうやってプラスの影響をあたえるか毎回悩みどころであり、楽しいところでもある。明日は、リバネスインターンシップをするうえで必ず知っておいてほしいことを話そうということになった。
普通オリエンといえば、いついつまでにアレをやれコレをやれ式のものが多いと思うが、そういうのではない。ただ単に実験教室や科学雑誌のライティングをしてほしいのではない。
明日は「卒業要件」と「なぜこの講座があるのか」を提示する。そのうえで「なんのためにインターンシップに在籍するのか」よくよく考えてもらって、外付けの理由でなく、自分で理由付けをしてもらうことが重要だと考えたからだ。
 
そもそもリバネスインターンシップは、こちらで在籍期限を細かくは設定していない。半年以上、上限2年というのが決まりだが、その間にいつ来て、いつ休むのも自主性に任せている。参加するプロジェクトもなるべく自分で選ぶ方針だ。そのなかで一定の基準でもって、「卒業」と「退会」を分けている。ではインターンシップを卒業する人と、退会する人の違いはなにか。それを話そうと思っている。優秀だと卒業、そうでなければ退会、という分け方ではないからだ。気持よくインターンシップに取り組んでほしいから、まず卒業と退会の話をしようという意図だ。
 
また「なぜこの講座があるのか」については、ほぼ「創業理由」と重なってくる。何を理由に会社を立ち上げ、何を実現しようと思っているのか。一見儲からなさそうな教育事業をなぜスタートさせたのか。株式会社にした理由は。どうして事業が続いているのか。
一緒にはたらく仲間になってほしいので、ぜひ知っておいてほしい。逆に知らない、理解できない人とは働けないかもしれない。代表の丸も「リバネスは理念で動く組織。合わない人は、合わない。しかし合う人には最高の環境だ」と繰り返し言っている。講座の設立意図を知ってもらって、そのうえで「なんのためにインターンシップにいるのか」を意識して内省してほしいと思う。
 
研修がスタートしたら、私は継続的にインターンシップの会議に参加する予定だ。インターンシップの場がどのように稼働していくかをモニターしていきたいと思う。自分はどこまで伝えられたか、影響を与えられたか、測定する場だと思っている。こんなことをできる場所はなかなかない。私は、プロフェッショナルとして、自分を磨くためにインターンシップ運営に参加している。